埼玉県で闇金の被害にあっている人が増えています。
これは東京で闇金への締め付けが強くなり、闇金の地方進出が増加しているためです。
闇金は実は埼玉県の方が、シノギがしやすいことが分かった
闇金はお金に困っている人をターゲットにすることから、生活費に困るフリーター、一人暮らしのサラリーマン、年金が少ない高齢者、生活保護受給者、といった人たちターゲットにします。
ですから、「闇金は都会の方が商売しやすい」というイメージを持っている人は多いでしょう。
確かに数年前までは、都会で“シノギ”をしている業者が多かったのは事実です。
しかし近年は埼玉県などの人口が多めの地方が狙われています。
特にさいたま市(大宮、浦和)といった大都市を抱える埼玉県は、地方なのにマーケット(闇金の借りて)が大きいというすごく良い土地になっています。
「自分は地方・田舎に住んでいるから闇金の被害には遭わないだろう」と安心していた人は、今のうちに正しい知識を持っておくことが予防策となります。
埼玉県に進出している4つの理由
闇金が埼玉県に急増している理由はたくさんあります。
東京より警察の取り締まりが緩い
東京や大坂などの都会よりも、埼玉県など地方の方が警察の取り締まりが比較的緩いです。
埼玉は人口が多いですが、繁華街も少なく凶悪犯罪が少ないです。
そのため警察の取り締まりも厳しくありません。
警察が厳しくないことは、闇金にとっては、摘発されたり逮捕されたりするリスクが低いというメリットにつながります。
実はこれは闇金に限ることではありません。暴力団や詐欺グループの拠点なども地方に移ってきているというのが実態です。
弁護士が少ない
埼玉はまだましですが、地方は弁護士や司法書士などの専門家が少ないです。
困った借主がすぐに相談できる相手がいないため、闇金にとっては好都合です。
若者であればインターネットを通して検索・相談することもできますが、高齢者が多い田舎では難しいのが実情です。
近年は、地方を積極的に回って闇金トラブルを解決している弁護士や司法書士も増えてきているようです。
埼玉だと東京の弁護士に相談しやすいので、その辺では恵まれていますね。
地方の方がコミュニティのつながりが強く客が飛びにくい
都会では人間関係が希薄な人が多いです。個人がした行為が他人に迷惑がかかりにくい環境にあるので、「借金をしたまま行方をくらます(飛ぶ)借主」が多いと言われます。これは闇金にとって大きな利益損失です。
一方、地方だと、家族や友人、近隣住民との関係は強い傾向にあります。借主は「自分が飛べば周りに迷惑がかかる」という心理が働き、何とか返済を続けようとします。
ズルズルと金利を搾取し続けることができるため、闇金にとっては好都合なのです。
親類関係も縁が強く回収が容易
人間関係のコミュニティが強いということは、借主が返済に困ったときに助けられる人が多いということでもあります。
親や兄弟姉妹で、代わりに借金を支払って解決しようとする人は意外に多いです。これは闇金にとって、借金を回収しやすいというメリットがあります。
ただ、一度全額支払ったとしても「利息・延滞金がまだだ!」などと言ってさらに要求してくる場合もあります。
闇金から借りたお金は支払う必要がありません。親や兄弟姉妹ではなく、弁護士や警察に相談するようにしましょう。
さいたま市は地方なのに実は人口が多い
さいたま市は地方ですが、人口が120万人を超える大都市です。
日本では田舎扱いされがちですが、人口120万人もいるとしは、欧州で最も人口が多いドイツにだって存在していません。
アメリカにだって人口120万人の都市は、超大都市扱いなのです。
しかも、近隣には繁華街を抱える川口や川越などのかなり大きな都市がつらなっています。
そんな大きな都市であるさいたま市は闇金にとって魅力的なのです。
金利は月1割程度のソフト闇金で商売
都会と埼玉県の闇金との違いは、埼玉県には闇金にはソフト闇金が多いという点です。
ソフト闇金とは、「悪質性の高い脅しや暴力的な取り立てはしないが、違法な営業活動でお金を貸している闇金」のことです「関連記事:ソフト闇金の特徴と対処法をまとめ」。
また一般的な闇金と違い対応が優しく丁寧なため、借主の中には「〇〇さんはいい人だ」と勘違いしてしまう人もいるようです。
また一般的な闇金は、トイチ(10日で1割)やトゴ(10日で5割)といったかなり法外な金利を設定しています。
ソフト闇金は、違法ではあるものの1か月(30日)で1割のように、もう少し低い金利で貸し付けます。
ソフト闇金がこのように借主に対して緩い対応を取る理由は、「借主との距離を親密に保つことで、お金を搾り取りやすい環境を作るため」です。
家族や隣人にもいい顔ができれば、さらに多くのお金を長期間搾取できることにもつながります。
また、借主らからの信頼を得て警察や弁護士に訴えにくくさせることも理由の1つです。
地方のソフト闇金を見極める方法
金利を確かめる
一般的な闇金よりも金利を低く設定している点は、健全な貸金業者との見極めが難しい理由の1つです。
利息制限法では、借りる額によって以下のように上限が制限されています。
・10万円未満 20%
・10万円以上100万円未満 18%
・100万円以上 15%
ホームページやチラシなどに載っている金利がこれを超える業者はすべて闇金です。
借りていても返済する必要はないので弁護士や警察に相談しましょう。
貸金業者登録番号をチェックする
銀行や消費者金融などの貸金業者には、貸金業者登録番号が与えられています。国や都道府県に登録したときに付与される番号です。
基本的に、闇金はこの番号を持っていません。たとえホームページなどに記載があったとしても、ニセの番号である場合が多いです。
本物かどうか見極めるために、以下の金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用しましょう。
【登録貸金業者情報検索サービス】
https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/
結果に該当しないところからは決して借りてはいけません。該当する場合でも、会社の設立年数が浅い場合などは、登録番号を取得しただけの悪質な貸金業者である可能性もあるので十分注意が必要です。
まとめ
闇金が地方で増加する理由やその実態について解説しました。
現在も、都会ではますます取り締まりが厳しくなっているため、今後も闇金の地方進出は続くと見られます。
地方のソフト闇金は「対応が優しい傾向にある」と言いましたが、返済が滞れば一般的な闇金と同じような悪質な脅しを仕掛けてくる場合もあります。
家族や住民に重大な被害が及ぶリスクを避けるためにも、決して安易な気持ちで連絡したり借りたりしないようにしましょう。